パソコンには必ず内蔵されている必須パーツとなるHDD。WindowsやMacなどのOSはもちろん、あらゆるデータを保存するために必要な記憶装置です。最近では処理速度の速いSSDが主流になっている傾向がありますが、HDDは大容量のデータ保存・管理に適しているので、現在でも使用されている方は多いでしょう。
また、内蔵型ではなく外付けタイプも販売されているので、パソコン本体では保存しきれないデータの保管場所として使用されている方もいると思います。しかし、一度購入すれば永遠に使用できるものではなく、使用を続けることで劣化してしまうため寿命が尽きると故障してしまいます。
ですが、HDDは使い方次第で長く使用することができると言われています。この記事では、そんな記憶装置の平均寿命や寿命を縮めてしまう原因、長く使う方法などについてご紹介していきます。
HDDはいずれ壊れる?寿命はどれくらい?
パソコンや外付けHDDを購入した方の多くは、特に問題がなければ永遠に使用できる記憶装置だと考えてはいませんか?どんな機器でも使用年数が長くなれば経年劣化によっていずれは故障してしまうもの。
ここでは、そんなHDDの平均寿命についてご紹介していきます。機器の寿命は長く使うことを考えるのであれば意識しておきたいものです。ご紹介する平均寿命よりも早い時期に故障している場合は使い方に問題がある可能性があるので、そうした状態を把握するためにもぜひ参考にしてみてください。
PC内蔵型の平均寿命は約4年
HDDは内部にある円形のディスクを回転させ、磁気ヘッドによってデータの読み書きをするといった構造になっています。そのため、使用する度に内部ディスクの表面がすり減ることで劣化してしまい、いずれは故障してしまいます。
そんなパソコン内蔵型の平均寿命は約4年と言われており、過度な負荷をかけずに使用していれば購入から約4年で故障してしまうことになります。しかし、4年未満で故障してしまう場合は電源を入れたまま放置している、正しく電源を切っていないなど、機器の負荷をかける使い方をしていることがかんがえられます。
外付けタイプの平均寿命は約3年
HDDにはパソコンに内蔵するものだけでなく、外付けタイプの機器も販売されています。最近主流になりつつあるSSDに比べてデータ保存・保管に適した記憶装置なので、パソコンの容量が足りないときのデータ保存場所として便利な機器となっています。
そんな外付けタイプの平均寿命は約3年と言われており、内蔵型に比べて少し寿命が短くなっています。というのも、外付けHDDは湿気や熱に弱い機器なので、使用する環境によっては寿命よりも短い時期に故障してしまうことがあるからです。
湿度や室内温度が高い、熱を発する何らかの機器を近くに置いているなど、このような環境で使用すると故障しやすくなるので注意しましょう。
使い方次第でHDDは長持ちさせることができる
パソコン内蔵型・外付けタイプを問わず、HDDには寿命があることがお分かりいただけたと思います。しかし、ご紹介した使用年数はあくまでも平均的なもので、使い方次第では寿命よりも長く使用することができると言われています。
そのため、ご紹介した寿命よりも短い年数で使い物にならなくなったという方は、一度普段の使い方を見直してみることをおすすめします。また、長く使うための方法については以下でご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
HDDの寿命を縮める4つの原因
前章でもご紹介したように、HDDは使い方次第で寿命を延ばすこともできれば縮めてしまうこともあります。それでは、どのような使い方をすることで寿命を縮めることになってしまうのでしょうか?
ここでは、HDDの寿命を縮めてしまう4つの原因についてまとめてみました。「すぐに故障してしまう」「購入したから間もないのに調子が悪い」このような状況でお困りの方は、以下でご紹介する原因と普段の使い方を照らし合わせてみてください。
本体の内部が高温状態になる
微細な部品で作られたHDDは非常にデリケートな精密機器なので、熱によるダメージを受けやすいという弱点があります。そのため、どんな機器にも内部には熱を逃がすための冷却ファンが内蔵されています。
しかし、パソコンを使用する室内が高い、周りに熱を発する機器を設置しているなど、このような状況ではHDDの内部が高温状態になりやすくオーバーヒートを引き起こしてしまい、故障してしまうことがあります。
落雷による停電で突然電源が落ちる
悪天候のときに落雷による停電が発生した場合、突然パソコンや外付けHDDの電源が落ちてしまいます。このような状態はHDDに大きなダメージを与えてしまうため、機器の寿命を縮める原因になってしまいます。
また、停電だけでなくパソコンを強制終了する行為も同様です。正しくシャットダウンを行わなければ機器に負荷をかけることになるため、頻繁に強制終了を行っていると寿命が縮め故障させてしまうので注意しましょう。
外部から衝撃を与えてしまう
精密機器は衝撃に弱いので、落とす・ぶつけるなどの物理的な衝撃は故障の原因になります。寿命が縮まるどころか、そのまま故障する可能性も十分にあるので、普段からの取り扱いには要注意です。
特に外付けHDDは持ち運び用として使用している場合、移動中に落下させてしまう、どこかにぶつけてしまう危険性があります。衝撃を吸収するケースに入れるなどの工夫を行って、最悪の事態を未然に防ぐようにしてみてください。
何度も電源を入・切している
パソコンや周辺機器の取り扱いに慣れていない方に多くみられる行為ですが、何度も電源を入・切するのも寿命を縮める原因の1つです。確かに、使用しない状態で電源を常に入れっぱなしにしているのは機器にとってあまり良いことではありませんが、かといって頻繁に通電を繰り返し行う行為も同様です。
そのため、パソコン作業を一時的に中断する場合はシャットダウンをするのではなく、スリープモードを活用することをおすすめします。スリープモードは消費電力の節約になるので、電源の入れっぱなしが気になる方はぜひ試してみてください。
HDDの寿命を延ばして長く使う方法5選
前章では寿命を縮める原因についてご紹介しましたが、ここではHDDの寿命を延ばして長く使う方法をまとめてみました。使い続ければ寿命を迎えるのは避けられませんが、使い方次第で平均寿命よりも長く使い続けることが可能です。以下では、寿命を延ばす5つの方法をまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
耐久性に優れたものを選ぶ
基本的にHDDは衝撃に弱い機器なので、取り扱いには十分な注意が必要です。しかし、販売されている製品によっては耐久性に優れた機器もあります。そのため、外付けHDDを持ち運び用として利用を検討している方は、耐久性の強い機器を選ぶことで寿命よりも長く使用することができるでしょう。
熱がこもらないように対策をする
HDDは熱に弱い機器なので、暑い季節はクーラーで室内温度を快適に保つ、機器の周辺に熱を発する周辺機器を設置しないなどを行うことで寿命を延ばすことができます。他にも、窓際にパソコンや外付けHDDを設置しないといった作業環境を整えることも長持ちさせるポイントの1つです。
また、機器の内部には知らない間にホコリが溜まってしまい、冷却ファンでは内部の熱を外部へと逃がすことができなくなるケースがあります。そのため、定期的にカバーを外してパソコン内部を掃除してあげることで、熱暴走を防ぐことができますよ!
正しい方法で電源を切る
パソコンでの作業を終えた際は、必ず正しい方法でシャットダウンすることがHDDを守るポイントです。停電によるものは仕方ありませんが、基本的にはパソコンを操作して正しく電源を切ることを行ってください。
製品によっては電源を落とさない方が良い
販売されているHDDの中には24時間可動と記載されている製品があります。このような製品は電源を入れっぱなしの方が機器に負荷をかけず寿命を延ばすことに繋がると言われているため、24時間可動のHDDを使用されている方はこまめに電源を切らない方が良いと言えるでしょう。
タコ足配線ではなく大本のコンセントに接続する
外付けHDDはタコ足配線ではなく、大本のコンセントに接続して使うことが寿命を延ばすことに繋がると言われています。というのも、タコ足配線では十分な電力が供給できないので、データの読み書きを行う際に内部のディスクの回転が不安定になります。そのため、十分な電力を供給し安定した稼働を行うためにも、タコ足配線の使用は控えてください。
使い方を見直すことでHDDの寿命を延ばすことができる
微細な部品で作られたHDDは、使い方次第ですぐに故障することもあれば、平均寿命よりも長く使用することができます。最近では安価で購入できるようになっていますが、故障するとデータ復旧の手間や機器を買い替える費用などが必要になります。そうならないためにも、ご紹介は5つの方法を実践してできるだけ長くHDDを使用できるように試してみてください。